TD-1アルバック理工株式会社(本社 神奈川県横浜市、代表取締役社長 石井芳一)は、省電力・省スペースのキセノンフラッシュ法熱拡散率測定装置「TD-1シリーズ」を開発し、4月より販売開始いたします。

当社は、金属・セラミックスなどの熱物性評価に対応するため「レーザフラッシュ法熱定数測定装置TC-9000」を開発し、販売しております。

近年、製品やデバイスの高機能/高密度化や量産化が進み、高分子をベースにした材料が広範な分野で利用されています。これらの高分子材料は一般的に熱伝導率が低いため、測定の際に加えられるレーザ光による材料のダメージが懸念されていました。
当社では、レーザフラッシュ法では測定が難しい高分子材料、特に高機能フィルムなどの熱物性評価を可能にした「TD-1シリーズ」を開発しました。これにより、様々な材料に対応する熱伝導性評価装置のフルラインナップ化を実現しました。

今回販売を開始する「キセノンフラッシュ法熱拡散率測定装置 TD-1シリーズ」は、エネルギーが小さく、加熱時間が短いキセノン光を採用しています。これにより、熱拡散率が低く、µmオーダー厚さの高分子フィルム、接着剤、塗料などの測定を可能にしています。また、多層解析ソフトを標準装備していますので、基板上に生成した高分子膜の熱拡散率や基板同士の貼付け に使われる接着剤の熱拡散率を計算することが可能です。本装置では、厚さ方向だけでなく面内方向の熱拡散率も測定できますので、液晶性高分子のような配向 方向と平行か垂直かで熱拡散率が異なる材料についても1台で評価することができます。試料の酸化防止、温度分布の改善及び材料の使用条件に合わせた測定環 境を設定できるように、大気中だけでなく真空中やガス中でも測定することを可能にしました。

装置の特長

  • 熱伝導性高分子材料の熱物性評価に最適
  • 多層解析ソフトウエア(厚さ方向)を標準装備
  • 熱拡散率の異方性評価が可能(面内方向)
  • 測定雰囲気は大気中および真空中、ガス中から選択可能(RTA型は大気中のみ対応)
  • 省電力(AC100V 15A、PCは除く)
  • 省スペースで卓上設置型(約710mm W × 約620mm D、HTV型)
  • 室温から最高350°Cまで温度制御可能(HTV型)
  • マルチ試料ホルダにより最大4個の試料がセット可能(HTV型、RTV型)
  • 非接触法による比熱容量の測定が可能

用途

  • 高分子材料の熱拡散率、比熱容量の測定、および熱伝導性の評価
  • 多層材の熱拡散率評価
  • 面内方向(X-Y方向)の熱拡散率評価。(異方性評価も可能)

適用材料

  • 高分子フィルム
  • 接着材
  • 塗料
  • 高熱伝導性シート
  • 両面テープ
  • その他の高分子材料

機種

TD-1HTV型(350°C 大気中、真空中、ガス中対応タイプ)
TD-1RTV型(室温 大気中、真空中、ガス中対応タイプ)
TD-1RTA型(室温 大気中タイプ)

販売計画

本装置は、全機種合計で初年度10台(国内外合わせて)の販売を見込んでいます。 また、2011年4月13日(水)から15日(金)に、東京有明・東京ビッグサイトで開催される「第2回 高機能フィルム技術展 ~フィルムテック ジャパン~」会場内アルバックブース(東3ホール ブースNo.2-46)において、実機を展示します。

用語説明

1.熱拡散率 α(m2 s-1)
熱拡散率は温度を伝える能力を表した指標です。例えば、材料の片端に熱を加えると金属の場合は反対側がすぐに熱くなります。木材の場合は反対側がなかなか熱くなりません。これは、金属の方が木材よりも熱拡散率が大きいことを示しています。

2.熱伝導率 λ (W m-1 K-1)
熱伝導率は熱を伝える能力を表した指標です。熱伝導率は、熱拡散率を用いて次の式で表すことができます。
λ = α C ρ
C(J kg-1 K-1):比熱容量(熱を蓄える能力)
ρ(kg m-3):密度

装置の主な仕様

計測物性 熱拡散率、比熱容量
※熱伝導率は計算により得ることができます
試料サイズ φ10 mm(円板状試料、一次元測定)
試料厚さ 25 µm ~ 2 mm(ポリイミド系試料の場合)
測定範囲 熱拡散率:1 × 10-7 ~ 1 × 10-4 m2 s-1
試料個数 4個(HTV型は電動移動機構付き)
※比熱容量測定の場合、1個は基準試料をセットします
※RTA型は試料個数1個
温度 室温 ~ 最高350°C(HTV型)
※RTV型およびRTA型は室温のみ
測定雰囲気 大気中および真空中、ガス中
パルス熱源 キセノンフラッシュランプ
センサ 赤外線検出器(受光素子:InSb)
データ処理 デスクトップパソコン(OS:Windows 7)
ソフトウエア 一次元測定ソフト、多層解析ソフト
オプション 丸型試料用ホルダ(φ12.7mm、φ15mm、φ20mm、一次元測定)
角型試料用ホルダ(10mm角、12.7mm角、一次元測定)
二次元測定用試料ホルダ(面内評価用)
二次元測定ソフト
ピラニー真空計

装置設置条件

設置面積 約750mm W × 約700mm D(本体、卓上設置型)
約700mm W × 約800mm D(データ処理用PCラック)
本体寸法 約710mm W × 約620mm D × 約520mm H(突起を除く)
本体重量 約40kg
電源 本体用:AC100V、15A(アース付きACプラグ渡し)
データ処理用:AC100V、10A
冷却水 水圧:0.15MPa  流量:10L/min.
(市水または冷却水循環装置)
雰囲気ガス 不活性ガス(窒素、アルゴン、ヘリウムなど)
供給圧力:0.1~0.2MPa
液体窒素 赤外線検出器の冷却に使用

■製品紹介ページ
キセノンフラッシュ法熱拡散率測定装置「TD-1シリーズ」