ZEM-5アルバック理工株式会社(本社 神奈川県横浜市、代表取締役社長 石井芳一)は、各用途に特化した「熱電特性評価装置 ZEM-5シリーズ」を開発し、7月より販売開始いたします。

当社は、熱電材料などの性能評価に対応するため「熱電特性評価装置 ZEM-3」を開発し、販売しています。

近年、CO2の排出規制に伴い、エネルギーを有効利用することが奨励されてきました。
昨年の東日本大震災以降、節電要求が高まり、省エネ技術の開発が加速されています。
熱電材料は、熱から電気に変換する際に駆動部がないため、メンテナンスフリーでクリーンな技術として注目されています。
熱電材料開発が進むにつれ、各種材料でより高いレベルの性能評価が求められてきました。

高温・高抵抗・薄膜など各種熱電材料の特長に特化した「ZEM-5シリーズ」を開発しました。これにより、様々な材料の詳細な要求に対応する熱電材料評価装置を実現しました。

今回販売を開始する「熱電特性評価装置ZEM-5シリーズ」は、各種材料の特長に合わせて仕様を特化しています。Si系熱電材料に対応するために高温における試料との反応性が低いC熱電対を採用しました。酸化物熱電材料の評価に対応するために、より高抵抗(実測10MΩ)まで測定できるように計測系を見直しました。また薄膜(ナノメータオーダ)の評価に対応するために、試料系と測定方法の最適化。室温近傍の評価ニーズに特化した低中温型を開発。数ミリの小試料への対応を可能にしています。

【本装置の特長】

  • 各種熱電材料の性能評価に最適化によるシリーズ化
  • Si系熱電材料(SiGe、MgSiなど)の評価に最適 C熱電対の採用
  • 熱電対診断プログラムを標準装備
  • 最高1200℃まで温度制御可能(HT-高温型)
  • 高抵抗(実測10MΩ)まで対応可能(HR-高抵抗型)
  • 基板上に成膜された材料の測定(TF-薄膜型)
  • -150℃から200℃まで温度制御可能(LT-低中温型)

◎装置の主な仕様

計測物性 ゼーベック係数、電気抵抗率
試料サイズ 角2~4mmもしくはΦ2~4mm×長さ3~15mm (高温HT型)
薄膜対応 幅2~4mm、厚さ0.4~1.2mm、長さ20mmの基板上に絶縁層を介し成膜された通電確認可能なナノオーダ薄膜熱電試料(TF型)
測定精度 ゼーベック係数:±7%
電気抵抗率:±7% (長さ5mm以下の小試料を除く)
温度範囲  100℃~1200℃ (HT-高温型)
50℃~ 800℃ (HR-高抵抗型)
50℃ ~500℃ (TF-薄膜型)
-150℃~ 200℃ (LT-低中温型)
測定雰囲気 減圧Heガス中
熱電対 C熱電対(HT-高温型)
R熱電対(TF-薄膜型標準、HR-高抵抗型)
K熱電対(LT-低中温型)
データ処理 デスクトップパソコン(OS:Windows 7)

◎装置設置条件(HT型)

設置面積 約W750mm × 約D900mm(設置架台として机上面積)
約W700mm × 約D800mm(データ処理用PCラック)
本体寸法 約W750mm × 約D900mm × 約H750mm(突起を除く)
本体重量 約80kg
電源 本体用   :AC200V、40A(単相+アース1箇所)
データ処理用:AC100V、10A(ACコンセント2箇所)
冷却水 水圧:0.15MPa  流量:5L/min
(市水または、冷却水循環装置)

【シリーズ】

ZEM-5 HT 高温型(1200℃高温対応タイプ)
ZEM-5 HR 高抵抗型(MΩの評価が可能)
ZEM-5 TF 薄膜型(薄膜対応タイプ)
ZEM-5 LT 低中温型(-150℃から200℃タイプ)

【用途】
・熱電材料のゼーベック係数、電気抵抗率の評価。
・Si系熱電材料の性能評価
・酸化物系熱電材料の性能評価
・薄膜熱電材料の性能評価

【出展情報】
7月9日から15日に、デンマークで開催される「The 31st International & 10th European Conference on Thermoelectrics(ICT&ECT 2012)」会場内アルバックブースにおいて、パネルを展示します。

【販売計画】
各機種合計 初年度10台(国内外合わせて)

【用語の説明】
1.ゼーベック係数S (V K-1)
熱電効果として、ゼーベック効果、ペルチェ効果、トムソン効果の3つが知られています。異なる2つの導体の接合部に温度差を与えると起電力が発生します。これがゼーベック効果です。温度差dT、生ずる電位差をdV とするとき、ゼーベック係数S は以下の式で表すことができます。

eq_Seebeck_Coefficient

2.電気抵抗率ρ (Ω m)
電気抵抗率は電気を伝えない能力を表した指標です。

3.熱電変換材料の性能
熱電変換材料の性能を上げるためには、次の3つの要素が必要です。
①大きな熱起電力(電圧)の発生
②大きな電力の獲得
③大きな温度差の出現
この3つに対応する物性量は、①ゼーベック係数S (V K-1)、②電気抵抗率ρ (Ω m)、③熱伝導率λ (W m-1 K-1)です。熱電変換材料の性能向上のためには、大きなゼーベック係数(絶対値)と低い電気抵抗率と低い熱伝導率です。熱電変換材料の性能指数Z (K-1)は以下の式で表されます。

eq_Z

ZEM-5は、上式中のゼーベック係数S と電気抵抗率ρを測定することができますので、熱電変換材料の性能評価に有用です。