用途
- Low-K 絶縁膜の熱抵抗を数値化し半導体デバイスの熱設計に
- 絶縁膜の開発および放熱性の改良
- 熱電薄膜への応用評価
特長
- 基板上に形成された20 ~ 1000nm の薄膜の厚さ方向の熱伝導率測定が可能
- サーモリフレクタンス法を用いた温度振幅検出による測定を実現
- 測定試料の前処理が容易
特許や規格
熱物性測定方法(特許第5426115号)仕様
測定温度 | RT |
---|---|
試料寸法 | 幅10mm×長10 ~ 20mm×厚0.3 ~ 1mm(基板) |
測定雰囲気 | 真空中 |
測定原理
「断熱境界条件下の2ω法による薄板試料の熱伝導率評価」に関しての論文
金属薄膜に周波数f / Hz で加熱すると加熱量は、2f / Hz で変化します。
金属薄膜( 0 ) ‒ 薄膜 ( 1 ) ‒ 基板 ( s ) の3層系における金属薄膜表面の温度変化 T ( 0 ) は、金属薄膜・薄膜を熱拡散が十分に通過する条件下で、1次元伝熱モデルの解析解を表すと以下の式になります。
(λ:熱伝導率 W m-1 K-1, C:体積比熱容量 J K-1 m-3,q:体積当り熱量 W m-3, d:厚さ m, ω :角周波数 (=2πf ) / s-1)
実数解(in-phase amplitude)に薄膜の情報が含まれていますので、同じ条件下で周波数を変えて測定を行うと、in-phase amplitude は(2ω)-0.5に比例します。
薄膜の熱伝導率λ1 は、以下の式で得られます。
( m:傾き、n:切片)
Si基板上SiO2薄膜(20-100nm)の例
薄膜の厚さ / nm | 19.9 | 51.0 | 96.8 |
---|---|---|---|
熱伝導率 / Wm-1 K-1 | 0.82 | 1.12 | 1.20 |