本装置は、スキャニングレーザ加熱AC法により、フィルム、薄板、薄膜などの薄板材料の面内方向熱拡散率測定装置です。
高熱伝導膜の場合は、サブ・ミクロン薄膜の測定も可能です。
用途
- CVDダイヤモンド、窒化アルミニウムなどの高熱伝導率薄板材料(厚さ<500μm)の熱拡散率/熱伝導率測定
- 銅、ニッケル、ステンレスなどの各種金属薄板材料(厚さ>5μm)の熱拡散率/熱伝導率測定
- ガラス、樹脂材料などの低熱伝導率薄板材料(厚さ<500μm)の熱拡散率/熱伝導率測定
- 異方性を有する高熱伝導率グラファイト・シート(厚さ<100μm)、ポリイミド、PETなど高分子フィルム(厚さ>5μm)の熱拡散率/熱伝導率測定
- ガラス基板(厚さ30μm)上に成膜された窒化アルミニウム薄膜、酸化アルミニウム薄膜(厚さ100~300nm)などの熱伝導率測定
- ガラス基板(厚さ0.03mm)上に成膜されたDLC薄膜(厚さ>1μm)の熱伝導率測定
- PET基板(厚さ0.1mm)上に成膜された有機色素薄膜(厚さ100~300nm)の熱伝導率測定
- スパッタリング用各種ターゲット材料の評価
*測定条件については、材料・物性値により変動します。記載されている条件は目安となります。
特長
- ダイヤモンドからポリマーまでの広範囲の薄板材料の面内方向熱拡散率測定
- 厚さ3~500μmの自立したシート、フィルム、線材、繊維など広範囲の形態の材料に適用
- 示差法により、基板上に成膜された厚さ100nm~1000nmの薄膜の熱伝導率が測定可能 ※室温のみ
- 簡単な操作で測定可能
- 専用ソフトウェアによる制御、測定および解析が可能
- 本体は、全ての光学、制御、計測システムをコンパクトに一体化
仕様
型式 | LaserPIT-R | LaserPIT-M2 |
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温度範囲 | RT | RT ~ 200℃ |
AC 電源 | レーザダイオード(685nm、30mW) | |
試料寸法 | 自立した薄板:幅2.5 ~ 5mm × 長さ30mm × 厚さ3 ~ 500μm 基板上の薄膜:幅2.5~5mm × 長さ30mm × 厚さ100nm ~ 1000nm |
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測定周期 | 0.05 ~ 10/s | |
測定雰囲気 | 真空中 |
原理図
構成
薄膜の熱伝導率測定法(示差法)
LaserPITでは、薄膜の熱伝導率を測定するために、ガラス基板を使用します。薄膜を1枚のガラス基板の半表面にのみ成膜する方法により、ガラス基板の成膜領域と非成膜領域を測定します。「2つの領域の測定結果」「ガラス基板の厚さと体積比熱容量」「薄膜の膜厚と体積比熱容量」から薄膜の熱伝導率を評価します。
論文リスト
- Phonon transport probed at carbon nanotube yarn/sheet boundaries by ultrafast structural dynamics
Carbon 170 (2020) 165-173
10.1016/j.carbon.2020.08.026